デュビアを飼育、主に繁殖をしていると、メスの成虫のお尻から何かが出ている光景を目にする機会があるかもしれません。

こんにちは筆者の山田ドシーです!X(@doshi_dubia)もやってます!
目にする機会が多いものは、棒状の茶色っぽい小さい小豆のような感じのもので、これは卵鞘(らんしょう)と言われるもの。
他にも、白い袋のような丸い形をしたものがお尻が出てくる場合があり、この白い袋は保育嚢(ほいくのう)と言われるものである可能性が高いです。
メスの成虫のお尻からは、棒状の卵鞘と白い袋状の保育嚢が飛び出ることがある!
この記事ではメスの成虫のお尻から飛び出る可能性のある卵鞘と保育嚢について解説していきます!
卵鞘とは
デュビアのお尻から棒状の茶色っぽい小さい小豆のようなものが飛び出ていたら、それは卵鞘である可能性が高いです。
実際に卵鞘をお尻から出しているデュビアの写真をX(旧Twitter)に載せて下さっている方がいらっしゃいましたので、参考としてリポスト的に載せさせて頂きます。
デュビア繁殖させている方に質問です!!
— rep-D (@rep456789) April 5, 2017
最近、餌をデュビアに変えて繁殖できたらいいな〜と思ってるんですが、
メスが卵鞘?出してるんですが、ちゃんと孵化させるために気をつけることとかありますか??
あと、こうなってから産むまでどのくらいですか?#デュビア #繁殖 pic.twitter.com/AO4BQGkqmJ
卵鞘とは卵を覆う硬い殻のことで、卵を保護する役割を持っています。
デュビアに限らずゴキブリはこの卵鞘で守った状態の卵を産みます。
餌用ゴキブリとして、よくデュビアと比較されるレッドローチは、繁殖が順調にいくとケース内に雌が産んだ卵鞘がポロポロと落ちており、そこから子供が生まれます。
しかしデュビアの場合はレッドローチと同じゴキブリであるのにも関わらず、このようにケース内にポロポロと卵を産み落とすわけではありません。
それはなぜかというと、レッドローチは卵生という繁殖形態で、デュビアは卵胎生(らんたいせい)と呼ばれる繁殖形態をしている違いがあるからです。
卵胎生とはなんぞやというお話ですが、簡単に説明すると、卵を胎内で孵化させることです。
例えば、人間は受精卵が母体の体内で、母体から栄養の供給を受けて発育していき体外に産まれる胎生、鶏は卵の状態で体外に産み落し、卵内に蓄えられた栄養で発育し孵化する卵生という繁殖形態です。
卵胎生はこの胎生と卵生の繁殖形態の中間と言いますか、卵の状態で孵化するまで体内に保持するという方法で、胎生のように体内に保持はするけど、卵生のように栄養は母体からではなく卵内から供給されるといった感じです。
ではなぜ卵胎生のデュビアが卵鞘をお尻から出すのか?
結論から言うと、卵鞘を保育嚢という器官の中にしまうためです。
保育嚢については次項でも説明しますが、簡単に言うと、卵鞘を体内に保管しておくための器官です。
つまり卵胎生のデュビアは、卵鞘を体内の保育嚢という器官の中で孵化するまで保護しているということです。
そして卵鞘を保育嚢の中に入れる方法として、一時的に卵鞘を体から出して、再度体内に戻すときに保育嚢内に入れるやり方のため、その際にお尻から一時的に卵鞘が飛び出るのです。
ちなみにこの卵鞘を一度お尻から出す行為は、卵胎生のゴキブリは全て行うらしいです。
つまり繁殖中のメスのデュビアは皆んなお尻から卵鞘を一時的に出すのですが、あくまで一時的な行為で、再度体内に戻ります。
ただし、場合によってはそのまま卵鞘を体外に落としてしまうことがあり、これはいわゆる流産といった状態で、こうなってしまった卵鞘は残念なことに孵化しません。
落としてしまう原因としては過密過ぎる飼育であったり、メスの老化によるものと言われています。
保育嚢とは
デュビアのお尻から出る場合がある白い袋状のものは、前項でも触れた保育嚢という器官である可能性が高いです。
こちらも実際の写真をX(旧Twitter)にあげてくださっている方がいらしゃったので、参考としてリポスト的に載せて頂きます。
これは本来外部に出るべき器官ではないのですが、何かしらの原因で飛び出てしまうことがあるようで、主に老個体に見られることが多いようです。
保育嚢とは何かと言うと、前項で説明した通り、卵鞘を保管しておく器官で、卵を育てるという意味で保育という名前なんだと思います。
この保育嚢は本来外部に出るものではないと言ったように、お尻から出てくる状態は通常ではありません。
一度出てしまうと再度体内に戻ることはなく、こうなってしまったデュビアは早い段階で亡くなってしまうことが多いようです。
まとめ
今回はデュビアのメス成虫に見られることがある「お尻から何かが出る」という現象について、代表的な2例の説明をさせて頂きました!
この記事のまとめとしては…
- デュビアのメス成虫のお尻から何かが出ることがある。
- 棒状の小豆の様なものは卵鞘で、中には卵がある!
- 卵鞘がお尻から出る現象は通常起こる現象で、一時的なもの!
- 白い袋状のものは保育嚢で、体内で卵鞘を保管しておく器官!
- 保育嚢は通常体外に出ることはないが、老個体に見られることがある。
