「デュビアは過密飼育が良いよ!」という話を見たり聞いたりしたことがありませんか?
これはデュビアの飼育法においてよく言われる文言ではありますが、なぜ過密飼育が良いとされているのでしょうか。

こんにちは筆者の山田ドシーです!X(@doshi_dubia)もやってます!
今回は過密飼育もその逆である過疎飼育も試してみた私の経験則から、このデュビアの過密飼育について私の思うメリットやデメリットなどを紹介しながら、考察していこうと思います!

まず結論から申しますと、私が思うデュビアの過密飼育についての考えは…
◾️幼虫→過密飼育“でも”飼育ができる
◾️成虫→過密飼育が原因と思われるデメリットの方がメリットより比重が重い
それではなぜ私がこのように考えるかについて、これから解説していきます!
※これからお話しすることはあくまで私の経験則や主観を元にしているので、読んでいく中で「いや、私のデュビアはそんなことないぞ!」みたいに思う方もいるかと思いますが、もちろんここに書いていることは様々な飼育条件や、その飼育者の捉え方によって異なって当然なので、その前提で読んでいただけると幸いです!
過密飼育の基準
デュビアの過密飼育について考える前に、そもそもどの程度の密度が過密なのかという話です。
これはお分かりの通り厳密な定義があるわけではなく、その飼育者ごとの感覚で基準が変わります。
よく過密の程度の説明として“何cm×何cmのケースに何匹ぐらい”みたいな説明のされ方がありますが、そんな単純な基準では本当は密度を説明することはできません。
なぜなら、同じ匹数で同じサイズのケースを使用したとしても、デュビアの体長や、隠れ家や足場として使っている卵パックや鉢底ネットのレイアウトの仕方次第でも密度が変わるからです。
もっとわかりやすく言うと、生まれたての数mmのデュビアと5cmぐらいの成虫のデュビアでは同じ匹数でも体積密度が変わってきますし、レイアウトに関しては卵パックとかを何も設置しない場合は例えるならば平屋みたいなものですが、卵パックを何枚も重ねて設置すればそこはマンションみたいなもので、住居スペースも増えるので密度が変わるということです。
さらに言えば、例えばケース内の全体に卵パックを1枚置いたら、その卵パックに隠れるようにケース全体にデュビアが滞在するでしょうが、ケースの半分だけに卵パックを1枚だけ置いておくと、大半のデュビアはその卵パック内に隠れたがるので、主な滞在スペースは同じケースでも前者の半分の面積だけになり得るので、その場合は密度もざっくり倍になるような気がしませんか?
ということで「どの程度がデュビアの過密飼育と言うのか」というは非常に説明が難しいというか、匹数とケースのサイズだけでは説明できない問題ではあります。
では過密飼育の基準をどう考えるかですが、極論を言ってしまえば「飼育者の感覚次第」なので基準なんて存在しないのですが、それではこの先の話を進められないので、ここでは私の中での過密飼育の基準を元に話を進めていきます。
それは、デュビアが主な滞在スペースにデュビア同士で重ならずにいれるかどうか。
例えばで言うと、デュビアが隠れている卵パックをひっくり返した時に、デュビアたちが全体的に重なり合って収まっている状態であれば過密ですし、重なり合わずとも収まるぐらいのスペースと匹数のバランスであれば過密ではないと考えます。

過密飼育のメリット
冒頭で話た通り、「デュビアは過密飼育が良い!」とよく言われていますが、では過密飼育のメリットとはいったいなんでしょうか。
まずは様々なサイトを見て、世間一般で言われている過密飼育のメリットについて調べてみました。
私が調べた限りではありますが、主に過密飼育のメリットとしてよく謳われていたのは以下の2点です。
- 繁殖しやすくなる
- なんか調子が良い
一つ目の繁殖しやすくなるという点については、オスとメスが密でいるほど繁殖行動をしやすくなるとの理由です。
二つ目の調子が良くなるということについては、大抵は“らしい”とか“気がする”という言葉とともに説明されていることが多く、デュビアは習性として密集したがる生き物だから過密で飼育した方が調子が良いといった感じの理由でした。
まずこのよく言われているメリットの2点について私はどう思うかと言うと、私の経験則から言うと、「どちらもメリットとして感じたことはない」といった感じです。
繁殖行動が促進されるという点ですが、個人的な感覚としては過密だろうが過疎だろうが、一定数以上のオスとメスが一定以上の比率で同じケース内にいれば繁殖の効率自体はそこまで大きな違いを感じたことがないです。
要はオスメスの匹数とか比率で繁殖効率の変化を感じたことはありますが、過密か過疎かで効率の変化を感じたことがないということです。
ただこれはあくまで個人的な経験則からの感想ですのであしからず。
次に“調子が良い”という点ですが、これも過密だからといって特別そのように感じたことはありませんし、そもそも過疎飼育しているデュビアと過密飼育しているデュビアを比べて、調子が良い悪いというのを定量的に判断できたことがありません。
なんかここまでの話だと、まるで私が過密飼育を否定している人みたいになっていますが、私も過密飼育は特定のサイズのデュビアに限っては実践してます(笑)
では私が過密飼育を実践している理由でもある、メリットと感じている点は以下の1点です。
保管スペースを節約できる
これは単純に100匹のデュビアを飼育する場合に、1つの飼育ケースで50匹飼育する場合は2ケース必要ですが、1つのケースで100匹飼育すれば1ケースで済むので、その分ケースを部屋に置くスペースを節約できるということです。
「それだけかよ!」という感じですが、本当にそれだけの理由で私は過密飼育しています(笑)
ちなみに“過密飼育は特定のサイズのデュビアに限っては実践している”と言いましたが、特定のサイズとは成虫以外の幼虫です。
では成虫はと言うと、繁殖目的での飼育ですが、どちらかと言うと過疎気味で飼育しています。
世間一般では過密飼育の方が繁殖効率が良いとよく言われているので、なんか逆のことをしていますが、理由としては先ほども言ったように過密飼育による繁殖効率の変化をあまり感じない点と、次項でお話しする、私が感じる「過密飼育のデメリット」を考慮した結果となります。
過密飼育のデメリット
では次に過密飼育の私が思うデメリットをお話ししようと思いますが、これは成虫とそれ以外の幼虫とで変わってきます。
まず幼虫についてですが、特にデメリットは感じません。
デメリットを感じないというのは、過疎飼育も過密飼育も試したことがありますが、どちらの場合でも特に目立つような違いを感じなかったということです。
デメリットは感じていませんが強いて言うのであれば、過密飼育時に気にしていることは餌が全体に行き渡るようにレイアウトに多少気を使うぐらいです。
次に成虫に関してですが、過密飼育した場合の私が感じるデメリットは以下の2点です。
- 卵鞘が落ちやすい
- オスの翅が欠けやすい
一つ目の卵鞘が落ちやすいという点については飼育者の中でもよく言われていることで、私の経験則的にも同意できます。
これはおそらくメスのお尻から一時的に卵鞘が出ている際に、過密であればそれだけ卵鞘が他のデュビアだったりケースの壁や卵パックなどにぶつかって物理的に落ちやすくなるためだと思われます。
ちなみに卵鞘とは簡単に言ってしまうと卵が入った殻みたいなもので、メスが子供を産む過程で一時的にお尻から出して、また体内に戻すものですが、この一時的にお尻から出している際に何かしらの原因で落としてしまうと、もうその卵から孵化することはなく、いわゆる流産といった状態になってしまいます。
余談ですが、世間でよく言われていることは過密飼育すると繁殖行動が促進されると言われていると同時に、卵鞘を落としやすい(流産しやすい)とも言われており、なんか矛盾しているような気がしないでもないですよね(笑)
二つ目のオスの翅欠けについては、過密状態だと翅が欠けているオスをよく見かけるようになりました。
過密過ぎない飼育では全くと言っていいほど見かけなかったので、過密が関係していると思われます。
調べたところによると、過密すぎるとオス同士で翅を齧ることがあるらしいですが、その現場自体は目撃したことがないので真相は私の口からは言えませんが、そのような可能性もあるらしいです。
まぁ餌として爬虫類などに食べさせる場合は翅が欠けること自体は特に影響ないとも思うので、これをデメリットと感じるかどうかは人によりそうではありますが、私としてはなんとなく可哀想な気になってしまうのでデメリットと捉えています。
まとめ
デュビアの過密飼育について、他のサイト等で調べたことや、私の経験則から感じたメリットとデメリットについてお話しさせて頂きました!
私の過密飼育に対する考えのとしては、幼虫に関しては過密飼育でも過疎飼育でも特に生体自体に大きな変化はないので、飼育ケースを保管するスペースやケース自体を節約したいのであれば過密飼育でも良いと思います。
成虫に関しては、過密飼育によるメリットは幼虫同様にスペースなどの節約になることですが、デメリットとしてはメスが卵鞘を落としやすいことと、オスの翅欠けが起こりやすいということで、あくまで繁殖を考えた場合ではありますが、メリットよりデメリットの方が比重が大きいと感じています。
幼虫と成虫でメリット・デメリットは異なるので、実際に私は幼虫は過密飼育、成虫は過疎気味の飼育をしていますので、過密飼育自体は取り入れてはいますが、幼虫成虫問わず総合して考えると、メリットについてはケースの保管スペースの節約に対して、デメリットは成虫のメスが卵鞘を落としやすくなり繁殖効率が落ちるということで、過密飼育はデメリットの方が大きいと感じます。
ただし何度も言っておりますが、どの程度の密度を過密飼育と捉えるかはその飼育者によっても違いますし、これらはあくまで私の基準と経験則から思うことですし、その他の飼育条件が違えば結果も変わる可能性は当然あるので、あくまで参考に留めてもらえるといいかと思います!

